ギャベの情報発信基地

ギャベ全般の情報発信のブログです。ギャベの展示会の紹介・ギャベ絨毯の説明・ギャベの手入れ方法などいろんな角度からのギャベの情報を発信していきます。

ギャベの生産工程

毛刈り

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毛刈りは熟練男性の仕事。まずは、大自然の中で育てられた羊を洗う工程です。これは重要なポイントになります。山から流れてくる川の水で、羊を丸洗いします。このように、化学品を使わずに、自然水で洗うことにより、脂(ラノリン)含有量の多い上質天然ウールが出来上がります。 次に、熟練工が羊の毛を刈るのです。ここのポイントは、毛が長ければ長い程上質なウール糸の材料になります。このために、熟練工が羊に傷がつかないように、一回のはさみ作業で羊の皮膚ぎりぎりでカットすることが重要です

紡ぐ

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標高の高いところで育った上質な羊の毛を手や櫛のような手すき道具ですき、紡績を使って一本一本、手で丹念に紡ぎ撚っていきます。1日に女性が紡ぐ量はわずか150gぐらいになります

染める

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集められた紡いだ糸を工場で選別し等級ごとに保管されます。そして山で自生する植物と一緒に大釜で染め上げていきます。昔ながらの伝統的な草木染めで透明感ある美しい色へと染め上ります。

織る

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ギャベのデザインは織る女性の感性のまま心の中にある思いを織り込みます。 大自然の中で生活するからこそ、素朴で自由にそして優しく大胆に個性あふれるギャベが出来上がるのです。 下絵や図面などはなく、一点一点丁寧に手で織られるため、同じものな2つとないところに価値があります。

裏焼き

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織り終わったギャッベの裏面をプロパンガスの大型バーナーで焼き焦がしムダ毛を焼き切ります。そうすることで遊び毛を減らし、裏面が硬くなりより強固な耐久性を持たせることができます。縦糸も横糸も全て上質ウールでできているギャベだからこそできる仕上げ方法です。

水洗い

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織り上がったギャベは検品されて品質基準でないものは跳ねられ、ギャベ専用の洗い場へと移されます。大量の水と専用の石鹸液を流しながら農作業用のクワのような道具で何度も切るようにゴミや汚れを払っていきます。こんなに大量な水に浸してても色落ちせず、鋭利なクワのような道具でこすってもほつれる事のない耐久性には驚かされます。

乾燥

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洗い終わった後のギャベは広大なスペースでイランの乾燥した大気で天日干しされます。大量の色鮮やかなギャッベ達が並ぶ光景は圧巻です

シャーリング

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乾燥後、ギャベの毛足を整える為、シャーリングという工程に進んでいきます。毛の長さを電動バリカンのような機械で調節し、織り込まれた文様がくっきりと浮かび上がり、美しいギャッベの姿が現れてきます。

最終仕上げ

シャーリングが終わると、一度、湿度の高い部屋に移し、毛を膨張させ、釘を打ちつけて歪みを調節していきます。そして毛足の長さや淵の仕上げ具合、全体のバランス感をチェックしながら最終的な調節をしていきます。